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2025年5月5日月曜日

ローテクのリアカー再活用


 

私の父は結局車の運転免許を取らずに亡くなった。

仕事には路線バスや電車以外に、自転車やバイクを使ったりしていた。

田畑が家からかなり離れたところにあったので、自転車に鍬や鋤を乗せて通っていた。

さすがに稲を作るにはリアカーが必要で、がっしりした鉄製のリアカーを使っていた。

そのリアカーを自転車やバイクで引っ張っていたのだが、今から思うと当時は車も少なかったからできたのだと思う。

そのリアカーは私が貰って一時は同じようにバイクの後ろに付けたりしていたが、主に人力で引っ張って農作業に用いていた。

タイヤがパンクして以来使うこと無く、そのパーツは立てかけて棚にしたりしている。


まさしく半世紀以上前のリヤカーの残骸が現在の家にも残っている。

これには、父と一緒に籾の入ったドングロスの袋を運んだり、米作りの想い出がある。

それと、赤穂の古くて狭い家から新しい家に移るときに、父と一緒に引っ越し作業をしたのもそのリアカーだった。

今は、軽トラックを持っているので必ずしも必要では無い。

ちょっとした物を運ぶには一輪車で十分である。

ところが、重かったり、嵩張ったりする物を運ぶのに、軽トラでは行けない畑の中とか、浜辺などでは以前からリアカーが欲しいと思っていた。

学校でも校務員さんは植木の作業や草刈り作業にはリアカーを用いている。

軽トラは学校周辺の歩道や学校内の植え込み、運動場で使うには適していないからだ。

最近はアウトドア用のキャリーワゴンもあるが、起伏の大きい地形や重い物を運ぶには適していない。

やはり、農作業などに使うにはリアカーが最適だと思った。


そして、もう一つの目的は、SUPの色んな道具を運ぶことだ。

以前は、浜辺まで軽トラで行けたのだが、そこが進入禁止になってしまった。

駐車場から離れた浜辺まで色んな道具を運ぶにはリアカーが最適だと思った。

今のリアカーはアルミ製で軽いし折りたたむことができるので、軽トラや大きめの自家用車に積み込める。

砂地や石ころの多い浜辺でも、タイヤが大きいのでスムーズに移動できるのだ。

そして、最大積載重量が150kgというのが最大の魅力なのだ。

場合によって人を乗せてあげることもできる。


注文して配達してきたリアカーを最初に使ったのは、大量の水で薄めたハイポネックスだった。

リアカーに大きなタライを乗せて、用水路の水を柄杓でくみ上げハイポネックスを混ぜて、畑の側のあぜ道を押していって、作物にかけていった。

夏場になって大量に水が必要になったら、リアカーでエンジンポンプやホースを乗せて用水路からの水を利用するつもりだ。

去年までは軽トラで行っていたのだが、機材の上げ下ろしが面倒だし軽トラの置いておく場所にも困った。

リアカーは確かに力がいるが、手軽で便利な上、経済的なのである。

近所の人は大きめのジョーロを抱えて用水路から何度も往復している。

リアカーで水を運べば何回も往復する必要が無い。


自治体によっては非常時のためにリアカーを置いてあるところもあるようだ。

燃料や電気が無くても動くし、ノーパンクタイヤであるのでどこでも行ける。

近所の農家はどこに行くにも軽トラを使っているのだが、近いところにちょっとした道具を持っていく程度ならリアカーで十分だ。

細い路地の生け垣の枝打ち作業にも使えるし、大量のゴミ出しなどにも使える。

この頃はエンジンや充電式の小型運搬車も売り出されているが、それに比べるとずいぶん安いし折りたためば保管場所もいらない。

どんどんハイテクの機器がもてはやされている中で、ローテクながら改良を加えたアルミ製折りたたみ式リアカーとして生き残っている。

そういえば、ドローンを打ち落とすのに第一次世界大戦で使用した飛行機が有効だと聞いた。

ハイテクに対抗できるローテクも時代を超えて生き残っていけるのだ。

だから、ローテク扱いにされる我々世代も、それなりに変身して生き残っていかねばならない。




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