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2024年8月7日水曜日

縁切り黒い糸

 ふと、洗面所の鏡越しに裏の畑の高黍(コウリャン)を見ると、緑色の小鳥が何羽も実ってきた穂をついばんでいる。

この鳥は、ネットで調べたらそうも「かわらひわ」のようだ。

とりあえず、今まで使っていなかった、ネットを張り巡らしたが、背の高い高黍の上を覆うことはできない。

そこで、田んぼの害獣対策でラジオを使っていたのを思い出して、携帯プレーヤーを使って音楽を流してみたが、しばらくは寄ってこなかったが、また、寄ってきた。

そこで、ネットで調べていろいろ考えた結果、以前梅の花をついばむ雀対策に用いたように、テグスを使うことにした。

透明か黒色か迷ったが、黒糸を使うことにして、ネットで注文した。


梅の対策の時は、テグスを梅の枝をそのまま利用できたが、高黍にはテグスを結べない。

そこで、竹を立ててそこに結びつけることにした。

高くしないと、上からの襲来を防げないので、高く張り巡らすために、脚立を使って高い位置に結びつけた。

購入した黒糸は思ったより細くて、釣りに使う一番細いハリスのようだ。

たぶん、鳥の目には目立たないほうが、よけるのが難しくて恐れさせるのだと思う。

ところが、細い分だけ結びにくいし、すぐに切れてしまう。

高黍の周りに黒糸を張り巡らせるのに非常に苦労した。


そして、翌日設置した高黍の様子を見ていると、鳥は来るには来るがすぐに飛び去っていく。

そして、やはり勇気のあるのもいるようで、平気でついばむものもいたが、数日で殆ど来なくなった。

これから、この黒糸は細いので、すぐに切れたり、解けたりするだろうから、維持管理をきちっとしなければならない。

何カ所にも今年は高黍を栽培しているので、畑中張り巡らせることになる。

そういえば、焼き畑は鹿、イノシシなどだけでなく、鳥などの空からの襲来との闘いであったことを現実に思い知らされた。

お婆さんや子どもはこういう鳥を追い払う役目を担っていたようだ。

また、やってきた動物も捕まえて食料にしていたのだろうと思う。

縄文時代ではカラスも食べていたようだ。

現代では野鳥を勝手に殺すと犯罪になるので、こういう対策しかすべは無い。


最近は稲に関しては農薬をよく使っているせいか、雀などの小鳥はあまり寄りつかないし、その数も激減していて、田んぼでは対策をしていない。

以前はプロパンガスを使って爆発音をだしたり、田んぼ中に脅しになるテープや糸を張り巡らしていた。

最近は農薬の空中散布や除草剤の影響で、虫や小鳥が減ったので、対策は主にイノシシや貉に対して電気線での防除だ。

こちらは黒い糸など全く効果は無いだろう。

夫婦や恋人との深い絆の関係は「赤い糸」に喩えるが、近づいて欲しくない鳥との関係は「黒い糸」が実際に関係を切ってくれる。

同じように見えない細い糸でも、関係を結ぶことも切ってしまうこともできるのだから、糸は人にとって大切なものだ。




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