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2018年1月15日月曜日

街が恋しい

私が住んでいる上郡町は自然豊かな田舎である。
今勤めている職場も、それ以上に自然豊かな田舎である。
その職場は野生動物の禁漁区にもなっていて、まさしく野生の王国でもある。
考えてみれば、今まで30年間教員をしていて、街の中の学校と呼べる学校は一つも無い。
ただし、臨時講師の時代には姫路城の近くの白鷺中学とか、尼崎小田高校のような街の学校経験はある。
とにかく、採用されて教諭として赴任した学校は自然豊かな立地にあった。
その時代には街が恋しいと思ったことは一度も無かった。
むしろ、その自然に癒やされることが多かった。
山の近くの学校では、山に登ったり、海の近くの学校では海岸を歩いたりしていた。

ところが、今回の職場はその自然そのものを相手にすることが多くなった。
今まで生徒との関わりが主だったのに対して、自然の方が今のところ主なのである。
しかも、職場までの道の途中にも街らしい街は無い。
そうなると休みの日には街に出かけたくなる。
今日(1/13)もわざわざ岡山大学の近くのスポーツ店まで家内と車で買い物に出かけた。
今までは都市部の道路の運転は煩わしいので避けていたのだが、今回はそう思わずずっと自分が運転した。

実は、私は小学校まで自然豊かな環境で学んだが、中学校から殆ど都市部である。
姫路の中学・高校、神戸の予備校、名古屋の大学、東京の大学院。
例外は長期研修で通った兵庫県加東市の大学院である。
下宿暮らしは、神戸、名古屋、東京、横浜の経験を持っている。
しかしながら、一度も街の暮らしに満足したことは無く、休みには自然を求めていた。
また、学生時代の村落調査で長く滞在した奄美与路島は、自然そのものだった。
だから、街が大好きというわけではけっして無い。
なのに、今は街が恋しいと時々思う。
それは、今住んでいる村が寂れてしまっているかも知れない。
かつて、老人が取り残されていた奄美与路島と似た様子になってきた。
そう言えば、調査中にたまには古仁屋という街に出かけたことを思い出す。
それでも、田舎暮らしをやめたいというわけでは無い。
こうして、たまの休日に出かけて、車や人の多いのを経験するだけで良い。
所詮、街に憧れる田舎のネズミなのかも知れない。

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