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2018年1月19日金曜日

裏山登り

このところ仕事柄、山に登る機会が多い。
こう切り出すと、林業関係者かと思われるかも知れないが、オリエンテーリングに備えての下見である。
私は昔から肥満系の体質だったので、山登りは苦手だった。
上り坂は苦しいし、下り坂は足に応えた。
高校生の頃は殆ど山に登ることが無かったので、いつも山仕事をしている70歳後半の祖父よりも登るのが遅かった。
逆に言えば祖父はとろい高校生には負けない体力を維持していたのだ。
私もそれを考えれば、これから鍛えればしっかり登れるようになると思う。

実は学校教師として山に登る機会が結構あった。
赤穂養護学校(特別支援学校)では、赤穂の御崎から尾崎にかけての山を生徒と歩いた。
龍野実業ではしょっちゅう同僚の先生と裏山に登り、気分転換をした。
兵庫県立大学附属高校では、1年生の野外活動で大山に登った。
姫路特別支援学校では、授業や行事として生徒と裏山を登る機会が多かった。
特に姫路特別支援学校では、裏山に登ると姫路の街や遠く瀬戸内海の島々が眺められて最高だった。

こういう経験があり、普段もクロと一緒に近くの裏山に登ることがあっても、本格的な登山をしたいと思わなかった。
登り慣れた人にはついて行けないと思ったからである。
今回も若い職員は坂道を駆け上がれるのに、自分は待ってもらいながらついていった。
しかも、私は汗びっしょりなのに、若い職員は汗一つかいていなかった。
60歳間近の私が20代、30代の職員と同じように歩けるはずが無いのだが、これからはそうも言っていられない。
兵庫県立大学附属高校に勤めていた頃、講演で三浦雄一郎氏が来てくれたが、氏は60歳で死にかけてから登山を始めたことは有名だ。
エベレストに登った三浦氏を思えば、裏山に登るくらい大したことは無い。

たかが裏山だけれど、裏山に登る魅力も確かにある。
山に登って里に戻ると、あたりが違った風景に見えるから不思議だ。
私がよく通った奄美与路島の八月お踊りの歌の中にも、裏山に登る歌がいくつもある。
裏山に登って自分の生活している村や、職場などを遠い山や海と対比させて遠く眺めることが最高の気分転換になるからだろう。
普段抱えている悩みやストレスをいくらか解消してくれる。
本格的な登山と違って、それなりの靴を履き、それなりの格好をすればいつでも登れる。
それが裏山を登ることの魅力でもある。
そして、なによりも自然の動植物を身近に感じることで、たとえ一人でも孤独から解放される。


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