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2018年1月26日金曜日

誰もいない渋川の海

とてつもない寒風が吹き、渋川の海岸には荒波が打ち寄せていた。
岡山県の人にとっては、渋川という名の海水浴場はよく知られている。
「川に海水浴?」と初めて聞いた時は疑問に思ったと、岡山の大学に通っていた家内から聞かされていた。
思っていたより広大で、宿泊施設も整っているのに驚いた。
ここは最近では渋川マリン水族館のゾウガメが逃げて懸賞金がかけられて有名になった。
私は今回、その隣にある「渋川青年の家」に研修で宿泊することになった。
岡山県の社会教育施設に勤める人たちの集いである。
午後からの講演を受けて、夕方の自由時間に浜辺に降りてみた。
来た時よりは波はおさまっていたが、風がひどくきつかった。
遠くに本四架橋の児島坂出ルートの橋が見える。
娘はその坂出の近くの宇多津に住んでいるのだが、海を挟んでそのあたりが見えるのも不思議に思える。
この海岸は夏場は人でごった返して、それほどきれいに感じないと同僚から聞いた。
どこの海岸もそうだが、冬の海辺の方が美しい。
夏でも美しいのは沖縄・奄美の海だと私は思っている。
その夜は懇親会や同室の人と、色々と話が聞くことができてためになった。
職場の規模が小さいので、こういう機会でないと見地を広げられない。
特に離島の施設の人から、その暮らしぶりを聞くことができて良かった。
また、私のように転職した人との話も、勇気づけられた。

翌朝、朝食後に海に出てみると、若い人たちが海に向かって叫んでいた。
今も昔もあふれるエネルギーを海にぶつけるのは変わらない。
そのエネルギーは午前のプログラムに発揮されていた。
私も年甲斐も無く「ドッジビー」に夢中になっていた。
20代から60代半ばまでの男女が、一緒に楽しめた。
これこそ社会教育だと思った。
社会教育は青少年だけのものではない。
学校と違って、年齢や男女、貧富の差も関係なく一緒に学んだり楽しむ場だと思う。
誰もいない渋川の海で、その可能性を少し学んだ。


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