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2024年10月14日月曜日

狩猟採集民はなぜスリムか?

 このところ狩猟採集民の民族誌を読んでいるのだが、考えさせられた。

狩猟採集民は確かに運動量も多いが、仕事時間は産業社会の勤労者より少ない。

食べるものも比較的豊富だが、保存方法が限られているので、みんな分配し合って食べてしまう。

余った時間はゆっくりくつろいで、眠ったりおしゃべりしている。

食料は狩猟による肉よりも採集された植物系のものが主体だ(冬場の高緯度地帯は例外)。

ところが、狩猟で大量の肉が手に入ると、一部は干し肉等にするようだが、殆どは食べてしまう。

そして、何よりも思い切り食べた後で、歌ったり踊ったりして楽しみ、おなかがすくとまた肉を食べるという。

場合によっては、翌日の朝が過ぎても踊っていることもあるという。

あまり儀式や祭りらしいものがなくて、大きな獲物が手に入った時が祭りのようだ。

そして、食料の少ない季節には、歌や踊りは殆どないようだ。


そこで思い出したのは、奄美の人が八月(旧暦)には、毎晩踊り明かしていたということだ。

この季節は季候も良く、食料にも恵まれている時期である。

本土では盆踊りとして、月遅れの新暦8月に踊ることが多くて、新暦10月頃には秋祭りで神輿やだんじりで身体を動かす。

本土の踊りは食料とは関係ないようで、有名な青森のねぶた祭は七夕との関係があるそうだ。

本土ではどうも踊りは食料とは切り離されているようにも思える。

その点で言えば、奄美や沖縄の方が食料や飲食と密接で自然に思えてくる。

祝い事の宴会の最後では六調などの踊りで締められるのが普通で、特に沖縄の結婚披露宴の締めでの全員参加のカチャーシーは圧巻だ。

飲食でいっぱい身体に栄養を入れた時は、歌ったり踊ったりする方が肥満にならなくて健康的と言える。

最後に踊ることを考えたら、泥酔することもできないだろう。


そういうことでは、私の父母が生きていた頃は、両親と兄弟家族が集まって飲むと必ずカラオケに行って、歌うことはもちろん、場合によっては踊ったりしていた。

この家風は家内には全く合わなくて、カラオケボックスから帰ってしまうことの方が多かった。

家内の方は親戚が集まってもカラオケをすることはなくて、ひたすら飲んで食べておしゃべりをしていた。

だから、夫婦でカラオケに行くことは全くない。

職場での忘年会ではカラオケが定番だったが、私は職員バンドを組んで演奏するのが楽しみだった。

機材を持って帰らねばならないので、飲めないケースもあったが、翌日持って帰ることにして宴会を楽しんだりした。

現役の教員をやめて一番淋しく思うのは、仲間と飲む機会がなくなったことだ。

職員全体の宴会だけではなくて、気のあったもの同士が飲食した後で、よくカラオケに行って楽しんだ。


このところ、肥満を解消するために、酷暑の中で無理な散歩や水泳をして、かえって身体を壊してしまった。

これからは、狩猟採集民を見習って、歌や踊りをもっと取り入れて、楽しみながら肥満解消をしたいと思う。

ご婦人方はカーブスなんかでの運動が人気だそうで、それはおしゃべりしながら運動できるからだそうだ。

競技スポーツと違って健康スポーツは楽しくないと長続きしないと思う。

今まで、競技スポーツ型の水泳練習をしていたが、仲間とおしゃべりしたり、楽しい泳ぎを工夫した方が良いと思うようになった。

また、パソコンを使っての一人カラオケやギターの弾き語りも大切だと思う。

そういえば狩猟採集民も、狩りの仕草を踊りに取り入れていたが、日本では安木節が似たようなものだろう。

男にはフラダンスなどの踊りがないので、ああいう座敷芸などを練習するのも楽しいかもしれない。

歌と踊りは人類にとって、健康と喜びに欠かせないようことを、狩猟採集民から改めて教えられた。





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