ページビューの合計

2024年10月22日火曜日

未来はもう死んでいる

 先日、ネットのニュースでコウモリが感染症で激減して、害虫が増えてしまい農薬を多用することになった。

そして、その農薬多用の影響が新生児の死亡率を高めることになったという記事が載っていた。

新型コロナインフルエンザはコウモリからの感染を原因とされたが、逆にコウモリを激減させている「白鼻症候群」は人間が持ち込んだという。

私が、今の村に引っ越してきてしばらくはコウモリが多くいて、時々家の中に入ったり、庭の物陰に居着いたりしていた。

いつのまにか、そういうコウモリが殆ど見かけなくなってしまった。

これは、以前書いた雀やツバメが非常に減ったことと関連しているように思う。

何度も繰り返し言っているように、高濃度の農薬をドローンなどで空中散布しているのが大きな原因だと思う。

害虫と共に、害虫を食用としていた動物が激減していったと思われる。


近年、大根や蕪がうまく栽培できない。

大根ハムシが大量発生して、いくら不織布などで覆っても食い尽くされてしまう。

以前は、大根・蕪は放って置いても簡単にできたし、たまに青虫がつく程度で虫の被害はあまりなかった。

近所の人も無農薬で栽培している人は、同じことを言っている。

すくすくと立派に育てている人は、農薬をちゃんと使っている人だけだ。

ただ、山の中腹や田んぼのそばの畑で作っている人は、農薬を使わなくても害虫にあまりやられていないようだ。

つまり、山の中は害虫の天敵が健在であり、田んぼのそばは空中散布などの農薬が有効に効いていると言うことだ。

私は最近特に、アマガエルが減ってしまっていることが気になっている。

おそらく、今まではアマガエルが大根ハムシをかなり食べてくれたのかもしれない。

これを実証するのは難しいが、Youtubeで自然農法を配信している離島の農家がこの害虫に困ってないと言うから、天敵が健在なところでは大丈夫なのだろう。


おそらく、普通に店で売られている大根や蕪はしっかりと農薬がかかっていると思う。

アメリカでは新生児の影響を統計的に出しているが、健康被害全体に農薬の影響を調べるのは難しいだろう。

シーア・コルボーンの『奪われし未来』では、「内分泌系の攪乱のメカニズム」が述べられて井口泰泉氏が名付けた「環境ホルモン」として有名になった。

農薬の人への影響は分かりづらくなっているが、動植物への影響は既に顕著に表れている。

物価高の時代に値段の高い無農薬・無化学肥料の農作物を手に入れることは困難なことは事実だ。

私は自分で作って節約している代わりに、ネットでそういう高い農産物を購入している。

先日買った小豆はスーパーの3倍の値段がついていた。

しかし、そういう農家を応援するつもりで買っている。

JAの直売所も低農薬の作物を積極的に販売しているようだが、根本的に農薬の空中散布を請け負わないで欲しい。

一方で、離島や山奥の小規模農家が自然農法や有機農法に活路を見いだしていけるような支援を政府が行って欲しい。

これは農家だけの問題ではなくて、生活者全員の問題だと思う。

安い農産物しか売れない時代に、農家は農薬にたよらずを得ない。

その農薬が動物を殺し、消費者の命をも脅かしている。

昔の人は米などの作物に神が宿っていると考えていたから、単に価格だけのやりとりではなかった。

現代人は家畜・栽培化(domestication)は、動植物との共進化だということを肝に銘じて安く買いたたくのはやめよう。

自然界の動植物と共に生きる思想を失ったとしたら人間の未来はもう死んでいる。





0 件のコメント:

コメントを投稿