35年前に上郡に引っ越した当初は、これほど暑さに苦しむことは無く、夜などは涼しくてエアコンなどかけることは無かった。
近年では暑さが厳しくなって、去年まで水道水を使ったミストで二階のベランダや庭の植木を暑さから守っていた。
一日中ミストはかけっぱなしにしておいたので、しっかりと朝にはベランダや庭は濡れていた。
そのかわり、水道代が二ケ月で1万五千円を超えてしまったが、もし、下水も設置したいたらこんな額では済まなかった。
我が家は建築当時の合併浄化槽のままであるので、それだけの費用で済んでいたのだ。
東京ならいざ知らず、こんな田舎でこんな水道代は高すぎるし、普段よりもあまり多いので検査員に漏水を疑われた。
これからも暑い夏は続くと思われるし、いずれ下水施設に繋がなければならないので、安上がりになる暑さ対策を考えた。
まず、水道水から屋根の樋からの雨水を利用しようと思って、300リットルの貯水タンクを買った。
これは家にある軽トラの最大積載重量が350kgなので、それを基準にしたのだが、専業農家の人は500リットルタンクで水を運ぶのが普通だと後で聞いた。
一度、雨がしっかり降ってタンクは一杯になったが、ミストは一日しか持たなかった。
その予想はついていたので、家の近くを流れる水田への用水路を使うことにしていた。
いったん貯めたタンクからのミストは電気ポンプを使い、用水路からタンクへの水の注入はエンジンポンプを使っている。
毎日ミストを使うには最低二日に一回はエンジンポンプでタンクを満たさねばならなくなった。
そして、やはり心配していたことが起こった。
水道水や雨水と違って用水路の水はゴミが多いので、ミストが目詰まりを起こしてしまった。
何が良いか考えているときに、ホームセンターでタカギの散水チューブを見つけた。
さっそく、庭で電気ポンプを使って試したが、ミストと違って数時間もすればタンクは空になってしまった。
毎日エンジンポンプで貯水タンクを満たすのは手間なことになる。
一方、用水路からの畑の水やりにも当初はエンジンポンプを使っていた。
しかし、涼しい早朝にエンジン音を響かせると近所迷惑になる。
そこで、長い電気リールコードを使って、電動ポンプを使って散水することにした。
実は家の前にも用水路はあるが、道路をまたがずに電気コードやホースをひくには40mほど離れた場所の用水路を利用せねばならない。
散水チューブでは時間がかかりすぎるので、スプリンクラーを使って水を撒くことにした。
そして、貯水タンクに水を貯めるのにも、電動ポンプを使い始めた。
その散水チューブは庭の植木や鉢物の水やりに使っていたが、二階に持ってあげてベランダでもミスト代わりに使い始めた。
というのも、二階のベランダには鉢植えした枇杷やガジュマルもあるし、暑さ対策にもなる。
これで、ミストの代用とすることができた。
初期投資としては、去年の夏場の水道代ほどにはなったが、水道代をそれほど気にしなくて済む。
また、電動ポンプを多く使うことで、ガソリン代も節約することができる。
電気代は少し高くなるだろうが、水道代よりは安いと思う。
こういう農業用水での暑さ対策ができるのは、水田地帯に住んでいるからだろう。
ただ、街でも綺麗な水が溝に流れていたり、井戸のある家では同じことができると思う。
また、知り合いの農家では風呂の水を利用している人もいるので、雨水と風呂の水の両方を利用すれば良いかもしれない。
この散水のお陰で家の周りの植物や畑の作物もなんとか元気である。
ただ、雑草も同じく元気なので、その対策もしなくてはならない。
雑草が元気なせいか、キリギリスが元気に鳴いているし、コウノトリも餌取りに来てくれる。
今後は動力源となる電気も太陽光を用いて発電できたらとも思っているが、現段階ではコスト面で厳しい。
かつて、江戸も大阪も運河の水が張り巡らされていたようだ。
それを埋め立ててしまったことも、都市部の温暖化の原因だろう。
人間が汗で身体を冷やすように、街も運河や水路で冷やすことを考える必要があるように思う。
雪国では雪を溶かす水を道路に撒いているのだから、夏に街でも打ち水代わりの水をもっと流しても良さそうだ。
エアコンの電力使用量を減らせば、原子力に頼る電気からの脱皮を図るための対策の一つとなるようにも思える。
また、最近は駐車場に芝生とコンクリートを組み合わせて、アスファルトより涼しくしているところもある。
しかし、このところの暑さと水不足で枯れてしまっているのも見かける。
猛烈に暑いアスファルトの駐車場を芝生や土を使ったものに変えるのに水対策も必要だろう。
我が家の暑さ対策も家の周りの生け垣や土に覆われた庭が重要なところだ。
アスファルトやコンクリートのジャングルからの転換にも水が重要なポイントだろう。
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