人が一番植物と話をしたがるのは花が咲いたときだと思う。
私は先日、やっとハイビスカスの花が咲いて「ありがとう」と小声で語りかけた。
ハイビスカスは学生時代の特別な思い出がこもった花で、買ってきてから5年間も咲き続けている。
去年の冬には思い切って刈り込んだ。
枝葉が茂りすぎて、部屋の中で冬を越させるのに邪魔になってきたからだ。
ネットで調べると越冬させるのに半分ほどにした方が良いとあったので試してみた。
貧弱になった上に、葉が全部落ちてしまったので、今年は咲くか不安だった。
ようやく葉も多く茂りだして、やっと一輪咲いたのだった。
私は多くの鉢物を育てているが、このハイビスカスとガジュマル、ソテツはかつて村落調査で通い続けた奄美を家で再現して懐かしんで癒やされている。
残念ながら今年は畑が忙しかったので、ひまわりなどの夏の花を植えていない。
そのかわり、畑ではいろんな花が咲いて関わりが多くなる。
一番気がかりなのはズッキーニの黄色い花だが、雌花が咲くと必ず受粉させてやらねばならない。
ところが今年は雄花ばかりが咲いて、雌花は咲かずに腐ってしまう。
たぶん、雨が少ないので水不足だからだと思う。
近所の知り合いはキュウリがそんなふうになってとれないという。
私はキュウリにはしっかり水をあげていたので、たくさんなっているがズッキーニへの水やりはいい加減だったのが悪かったらしい。
その後、水やりをしっかりしても改善しなかったが、寒冷紗をかけてやると改善してきた。
どうも、高温が応えていたらしい。
トマトの花はみすぼらしいのだが、オクラの花は飾りたいくらい美しい。
オクラも水不足で生長が悪いのだが、30cmほどの丈でも花を咲かせて実をつけてくれた。
オクラは毎朝納豆に生で刻んで入れるので、我が家には欠かせない野菜だ。
ほかに咲いているのはカボチャなのだが、こちらも雄花ばかり咲いているように思う。
カボチャは受粉しなくても良いので、花に気をとられることはない。
もう時期は過ぎたが、かわいそうな花はジャガイモやニンニクで、実をつけたりすると栄養をとられるので取ってしまう。
ジャガイモはかわいらしくて、色も紫と黄色できれいなのだが、見つけると取るしかないのだ。
花以外にも水をあげたりして、関わりが多いのはサツマイモや高黍だ。
サツマイモも水が少ない上に、雑草が茂ってしまったので、少々貧相なのでせっせと水をあげた。
水や液肥をあげることも、作物とのコミュニケーションになる。
ポリマルチをすれば楽なのだが、酷暑では使わない方が良いと思って使っていない。
ポリマルチを使って作っている近所の人はサツマイモでさえ失敗している。
黒色のポリマルチは草押さえになって便利なのだが、後始末が面倒だし、このところの酷暑には作物には悪いように思える。
私は草マルチを基本に、作物に影響が少なそうなところの雑草は抜かずに、大きくなりすぎたら刈るだけにしている。
雑草を極端に嫌って根絶やしにしてしまう人も近隣では多いが、温暖化の時代は雑草を利用する方が良いように思う。
酷暑で地面の温度が上がりすぎるので、むき出しの土にしない方が良いように思うからだ。
またこのところ、作物を害虫から守ってくれていたカエルやカマキリ、クモが減ってしまって、ネットで防除するしか無くなっている。
適度な雑草はそういう生き物にとっても大切な住処にもなるようだ。
先日も都会育ちの娘の婿が、細やかな家庭菜園をしているというので、話題にして話をすることができた。
私は「野菜作りは癒やされるやろ?」と聞くと頷いていた。
娘夫婦は共稼ぎで二人ともデスクワークである。
心身の健康のためにはちょっとした菜園も役に立つ。
そういえば亡くなった森永卓郎さんもずっと続けていた。
ペットが飼えない人も、家庭菜園なら作物と触れ合って癒やされると思う。
庭が無ければプランターで室内でも栽培できる。
できれば、上郡のような過疎地には週末休日に楽しめる市民農園がもっと増えれば良いと思う。
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