堀江貴文が東洋大学をFランクの大学とネットで言ったのが物議を醸している。
確か、彼は東大の文化人類学の船曳さんのゼミ生だったように記憶している。
結局、東大は中退したのだから学歴は高卒なのだが、在学中に起業して東大合格ブランドで十分で学歴を必要としなかったのだろう。
私の同級生は多く東大に行ったがみんな卒業しているのは、卒業して学歴を活かす必要があったからだろう。
一方で、早稲田大学に行った同級生や近縁者、知人にはどういうわけか中退が多い。
同級生などは指定校を利用して入学したのに中退したものだから、指定校を取り消されてしまった。
彼は入学した学科と全く関係の無い家業を継いで立派に社長を務めて、商工会の会長になったりもした。
近縁者などは九州大学を合格したのに「都落ちだと」すぐ辞めて、早稲田大学に入り直したが、結局中退して専攻学科と無関係の会社勤務をしている。
二人とも、中退なので高卒なのだが、仕事に学歴は必要なく早大入学ブランドで十分だったのだ。
そもそも、私たちの同世代の女子大生は、結婚すると退職してしまうことが多かったので、教師になった人以外はあまり学歴を活かしていない。
当時女性は就職よりも結婚やそれに伴う子どもの教育に大学ブランドや経験を使っていたようにも思える。
家内は結婚のことは考えず、女性でも一生働ける教師を志して大学に入り、教育学部で小学校や障害児教育の免許を取得した。
しかし、採用試験で不合格になって、結婚するまで臨時の市の事務職員を務めた後は結婚後にしばらくして専業主婦となった。
子どもが高校を卒業してから臨時職員として学童の仕事に就いたが、当時は教員免許も必要でやっと大学の資格を活かせた。
ただし、現在は学童の指導員は教員免許も大卒資格を必ずしも必要としていない。
私自身も学歴よりも大学のブランドが欲しかった。
夢はミュージシャンだったので、早大のブランドでプロになったら中退しても良いと思ったが合格さえできなかった。
南山大学は中部圏ではそこそこのブランドだが、全国的にはほとんど無名だったし、名古屋ではバンド仲間も作れなかったのでプロは諦めた。
たまたま、専攻した人類学科と関連する村落調査サークルの活動にのめり込んで、大学院を志した。
ただし、研究者になれる自信も無かったので、教員免許だけはとっておいた。
その当時は、研究者になるブランドとして東京都立大学大学院の入学を果たしたのだが、実力が伴わず博士課程には進学できなかったので研究者のブランドにならなかった。
ありがたいことに、この大学院修士修了のブランドと教員の1級免許は教員採用に少しは役に立ったように思える。
当時は公立の高校教員も人気があって、特に社会科は多くの大学生が免許を持っていたのでなりづらかった。
高校時代の同級生の中には京大や九大を出たのに高校社会科教員になった者もいた。
だから、私は学歴ロンダリングで教師になれたと言っても良いだろうと思う。
ただし、地方では大卒は身近に働いている者が少ないので、大学ブランドは公務員は別として、評価の対象になりづらい。
むしろ、卒業した高校のブランドが活かされるので、当時は西播では有名な私学を卒業したブランドを、私は私的に活かすこともできたことも確かだ。
大学にしろ高校にしろ、そこに入るのに学力やスポーツの特別な能力があったと保障されれば良いブランドとして活きる。
しかし、教師を続けながらも、大学院時代に抱いた研究者になる夢は諦めきれなかった。
夢を果たすという意味では、結局は学校ブランドも学歴も活かせてはいない。
それでも退職して年金暮らしの今は、学歴を基に働いた教員時代の給料は活かされてはいる。
政治家は昔は田中角栄のように小学校しか出ていない総理大臣もいたのだが、学校や学歴は立派なブランドとして使われている。
最近は芸能界でも大学のブランドを売り物にしているのだから、大きい意味を持つのだろう。
その場合の多くは、大学での専門が活かされていないので、大学を卒業した学歴より、入学したことのブランドが活かされている。
ただし、政治家は卒業による学歴も重要な能力保障になっている。
だから、今の東京都知事は関西学院入学ブランドは中退したので使えず、それを表にあまり出さないのだろう。
反面、学歴は必ずしもプラスにならないこともある。
公務員採用には高卒資格の枠があって、大卒なのに高卒と偽って採用されて辞めさせられてしまった例もあった。
一流企業なども、大卒で入れるのは東大・京大レベルでも、高卒なら現場の労働者として採用されたりする。
介護施設でも大卒で採用されると給料は高いが、ケアマネージャーなどの役割を果たすことを求められるので、高卒の方が気が楽なところがある。
また、日本では修士や博士の学位は研究職にならねば、役に立たないどころか邪魔になることもある。
ある国立大学の博士学位を取ったばかりに、専門性が限られて採用が少なく、コンビニの店長をしなければならなくなった話も聞いた。
今回の静岡県伊東市の市長の学歴詐称問題は、東洋大学ブランドの問題だったのだろう。
上郡町長選挙では落選はしたが、早大中退とはっきり名乗って選挙戦を戦った候補もいたし、今回の参議院選挙にも早大中退で立候補した人もいる。
伊東市市長選では東洋大学中退ではブランド力が弱かったのだろう。
その点では、東京都知事も関学中退ではブランドが弱いので、海外大学のブランド利用を上手く使ったのだと思う。
政治家の実力は分かりづらいし、大学などを通した人脈とも関連するので、ブランドや学歴が重要とされるのだろうと思う。
ただ、そのブランドを使ったことで却って大学のブランドを下げてしまった総理大臣もいたのも皮肉なことだ。
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