今年も、ハチクの季節がやってきた。
すでに、孟宗竹の筍は、道ばたの邪魔になる物などを、採ってきて食べた。
こちらは家内にアク取りからしてもらわないと、食べられない。
破竹の方は、私がシャトルシェフを使って茹でるところまでする。
アク取りをしなくて済むので、シャトルシェフで保温して一日放置すれば十分である。
そして、その茹で上がったハチクを、家内が出汁で味付けすれば済むことである。
シャトルシェフがなくても、茹でた後一日水にさらせば問題ないようだ。
竹林によって、ハチクの出る時期がずれるので、結構長期間とれる。
家内にとっても、野菜の一品として、ハチクを色々と使っている。
先日も、母親に手土産として、茹でたハチクを持って行ったら喜んでくれた。
これほど簡単なものなのに、近所の人は見向きもしない。
同じ上郡でも、山野里の方では、しっかりと食べていると聞いた。
こちらは、孟宗竹が結構多いので、その筍が人気あるからなのかも知れない。
因みに本場鹿児島では、孟宗竹の筍が一番人気が無いそうだ。
そして、イノシシはハチクの美味しさと栄養が分かっており、山際ではよく食べ散らかしている。
ただ、孟宗竹と違って集落の外れに植えてあるので、イノシシの害はあまりない。
以前、ハチクがたくさんとれた時は、色々と保存方法を考えた。
まず一つは、キムチの素に浸けて冷蔵庫に保存した。
これは、長期保存には耐えられないが、そこそこ長持ちして美味しかった。
そのほかに、酒粕付けなども試したが、あまりできは良くなかった。
そして、意外に美味かったのは、乾燥させてスルメのようにした物だ。
家には食物乾燥機があるので、それを使った低温で長時間乾燥させた。
乾燥させると味も濃くなり、ちょうどつまみに良かった。
このところ、採ってきたハチクを毎日食べて持て余しているので、今日は乾燥に回した。
たぶん、こういう食べ方は縄文時代から続いてきたのだろうと思う。
以前見た、山で暮らしている人の特集では、茹でた筍を細く切って吊して、天日干しをしていた。
乾燥させた筍は大切な保存食として、昔から利用されていたのだと思う。
竹は、以前書いたように筏のような乗り物にもなるし、食料にもなる。
そして、室井 綽氏の『ものと人間の文化史10・竹』法政大学出版局(1979)には、家や色んな道具に使われているのが分かる。
中でも、あるサンカの人々にとって、無くてはならないものだったようだ。
建材や道具の材料としては、利用されなくなっている。
考えてみれば、剣道の竹刀や茶筅等は例外的に残っている。
道具としては一部の人しか親しみが無くなってしまったのが竹である。
せめて、食料としてなら、多くの人に親しめるのが筍だと思う。
そういえば、放置竹林対策に国産メンマ作りの取り組みを始めたと聞いた。
私も、乾燥させたハチクで試してみようと思っている。
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