私が学んだ南山大学にはグリーンエリアという、広い芝生の広場が正門から入って少し歩いたところにあった。
大学は丘陵を利用して建築されたもので、校舎もその起伏が利用されていた。
グリーンエリアはなだらかな谷間という感じで、噴水も備えられていた。
芝生はよく手入れがされていて、昼休みなどの休み時間には学生が、芝生の上で自由に過ごした。
そして、学校の行事にも利用され、大学祭以外でも受難劇もここで行われた。
そこで一緒に時間を過ごしたのは、同じクラブや学科の仲間であったが、季節の良い時にはゼミもそこで行うこともあった。
特に今のような若葉の季節には、芝生に寝転んで、私はそのまま寝てしまうこともあった。
私は、他に20代半ばでは東京都立大学(首都大学東京)、40代後半では兵庫教育大学の院生として過ごしたが、こんな学生が憩える芝生は無かった。
兵庫教育大学も丘陵に建てられたものであったので、似たような環境だったが、こんなに広い芝生は無かった。
その代わり、広大な駐車場があって、車で通学していたので、車の中で昼寝したりした。
ただ、周りは森林であったので、一人で弁当を持ち込んでそこで食べたりもした。
さながら森に引き籠もった、世捨て人の感じだった。
南山大学は、決して本意の大学ではなかったが、一番自分の肌に合った大学で、ここで学べて良かったと今は思っている。
この初夏の良い季節になると、グリーエリアで過ごした時間や仲間のことを思い出す。
それを思い出させてくれるのは、我が家の庭の小さなグリーンエリア擬きである。
芝生は無く雑草に覆われているけれど、遠くの若葉の山々が見える場所で、ビールを飲んで昼寝ができる。
ただ、ご近所さんに生け垣越しに「タケノコいらんか?」と不意に声かけられて、現実に引き戻されもするけれど・・・
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