愚犬クロがまたもや逃亡を図った。
前回はちょうど一ヶ月ほど前に、山に逃げて夕方まで帰ってこなかった。
その時は、ハーネスをちゃんと装着していなかったので抜けてしまった。
無理矢理ひっぱたので、ハーネスが抜けてしまい、逃げてしまった。
悪いことに、山際の柵がイノシシにこじ開けられていて、そこから山に入ってしまった。
夕方、家の周りをうろついていると、近所の人が知らせに来てくれたので、捕まえに行くとまた逃げてしまった。
夜になって、庭で音がするので家内に見に行ってもらうと、置いておいた餌を食べていたので捕まえた。
それから、一週間の散歩禁止の謹慎処分となった。
今回は、つないでいたバックルが簡単に外れてしまった。
ひょっとした弾みで以前もとれていたので、気にはなっていた。
最初はクロの方もとれたことが分からなかったが、私が捕まえるのをしくじって逃亡した。
家内にも応援を求めて、挟み撃ちにして捕まえようとしたが、うれしげに逃げていった。
山が近くにあり、逃げ込むと無理なので諦めて帰った。
そして、犬小屋の近くに前回と同じように餌をおいて待っていた。
私は前回の謹慎処分を覚えていたら、ひょっとしたら戻ってこないかもしれないと思った。
しかし、前回よりもずいぶん早く昼には戻ってきて餌を食べていたので捕まえた。
以前は柵に入れていて逃亡を図り、一晩帰ってこなかったこともあった。
今回は最短で戻ってきた。
自由な空腹より、不自由な満腹を選んだわけである。
おとなしい犬なので、迷惑をかけることは無いと思っているが、近所の人から通報されるのは恥ずかしい。
何よりも呼んで戻ってこないというのが憎たらしいのである。
何匹も犬を飼ってきたが、このように逃亡を図る犬は初めてだ。
それは野良犬をやっていたせいでもあるのだが、しつけにも失敗している。
主人の気持ちを逆なでして逃亡する割に戻ってくる。
逃亡するならまた野良犬になる覚悟で逃げてみろと言いたい。
しかし、罰が待っていても必ず戻ってくる。
昔、ポールニューマンの主演映画で「暴力脱獄」というのがあり、主人公ルークは殺されるまで刑務所から脱獄し続けた。
彼は最後まで囚人に甘んじなかったのである。
トラは既に、囚人ならぬ飼い犬に甘んじている。
野良犬の惨めさをよく知っているのだろう。
なぜか子供を一番怖がる。
おそらく一番いじめられたのは子供たちにだろう。
それでいて、逃亡を図りたいのだから、困ったものである。
まるで、伝書鳩のようなフラリーマン(帰宅を嫌がるサラリーマン)がたまに羽目を外して飲みにいくようなものかもしれない。
クロがフラリーマンに似ているのか、フラリーマンがクロに似ているのか?
所詮どちらも、家なしには生きていけない・・・・
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